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前立腺がんの基礎知識

【解剖学的位置関係】 膀胱の下で尿道を取り囲むように存在します。精嚢(のう)とともに精液を作っています。

【前立腺の自然史】  前立腺の発育と成長は男性ホルモンに大きく依存します。二次性徴期に精巣からの男性ホルモンの作用により成長し、20歳代が最も大きく、その後はゆっくりと縮小していくとされています。50歳代前後から前立腺に肥大結節ができ、これが前立腺肥大症へと発育していくようです。前立腺がん・前立腺肥大症の正確な発生メカニズムはいまだ不明な点が多いのです。

 

【前立腺がんの早期診断法】  血液検査で前立腺特異抗原(PSA)を測定します。補助診断として直腸診、経直腸的前立腺超音波検査(前立腺エコー)を行います。PSAの高い人は組織検査(前立腺針生検)を行う必要があります。病理専門医により組織学的診断を行いがんの有無を調べます。がんがなくても前立腺肥大症、前立腺炎、尿路感染、直腸診や経尿道的操作によりPSAが高くなることがあります。

 

【前立腺がんの治療法】  個人個人の病態、年齢、他に抱えている合併症、体力、ライフスタイルなどに合わせて治療法を選択することができます。それぞれの治療法の特徴を知る必要があります。(詳細は書ききれませんが…)

 

◎手術療法: 早期がんに対する根治療法。高齢者には適応されない場合が多いです。

 

◎ホルモン療法(内分泌療法): 男性ホルモンを低下させることによりがんの発育を抑制させます。LH-RHアナロク剤、抗男性ホルモン剤、両側精巣摘除術などがあります。

 

◎放射線療法: 対外照射、組織内照射が行われます。ホルモン療法と組み合わされる場合もあります。

 

◎慎重経過観察: 早期の症例で慎重に経過観察計画をたてPSA検査や前立腺エコー検査などで病勢を追跡します。

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